新年度の相談活動方針 決まる
―― 教育相談おおさか 第4回通常総会開かれる
5月7日、NPO法人おおさか教育相談研究所(教育相談おおさか)の2016年度第4回通常総会が相談員で構成する正会員によって開かれました。
総会は昨年度の活動に立って、登校拒否・社会的ひきこもりなどの困難が増している子ども・若者たちと家族への相談支援にさらに力を入れること、その困難をもたらしている社会的課題についても解決の方向へ他団体と協力してとりくむことなどを重点に議論で深められました。
○ 相談の年齢幅が広がる ―― 相談件数と学齢別・年齢別の特徴
グラフのように2015年と2014年の比較でみると、小中学校の子どもの登校拒否相談が大きく増加しています。そして、18歳から29歳までの相談件数が相変わらず最も多く、さらに30歳以上の社会的ひきこもりの相談が増加しており、相談の年齢幅が広くなってきているのが特徴です。
相談事例の特徴を通して教育と社会の環境が子ども・若者を追い詰めていることがうかがえます。困難を抱える子ども・若者が回復と自立へ向かう支援のために、相談員の相談力量向上に向けて事例研究・学習講座・大阪や地域の交流会への参加など研修活動をいっそう重視していくことが確認されました。
○ 地域で関係団体のつながりが広がった 「講演と相談会」
――困難を抱え孤立しがちな家庭とのつながりを重視して
2015年11月~今年3月まで大阪市3地域と府内7市で「講演と個人無料相談会」が開催され、関係する民間や公的な機関との関係が広がりました。今年度はすべての開催地で当該及び近隣の市・市教育委員会の両方または市教育委員会の後援が得られたことで、学校の訪問で案内を受け入れてもらえ、公的機関では案内チラシを置くことや広報に掲載されるなどの協力・協賛が区民センター、図書館、保健所、保健センターなどで得られたことでこの事業について地域で知られるようになっていきました。開催地では保護者始め、幅広い関係から参加があったことからもうかがわれます。
地域における開催で、登校拒否・不登校と社会的ひきこもりの困難を抱えておられ孤立しがちななかで、相談機関とつながってこられなかった家庭がかなり見られることもわかりました。この事業が歓迎されるとりくみとなってきたことは、相談活動を地域で定着させる意味の重さを示しているといえます。
総会では、この経験によって今年度も続けて開催するよう企画していくことが確認されました。
○ 相談活動30年の記念誌発行へ準備
1985年に大阪教育文化センターの事業としてスタートした「親と子の教育相談室」以来、NPO法人に移行も含めて2015年は30年の節目にあたりました。そこで30年の歩みと今を記念誌にまとめて発行する準備を進めています。内容は、30年の活動実績、教職員の不登校生徒への理解や対応・悩みについてのアンケート調査、最近の相談統計から見た分析などです。今、9月発行をめどに相談員がチームに分かれて担当してとりくんでいるところです。
○ 社会的ひきこもり家族交流会 ―― 教育相談おおさかの来談者を対象に
昨年9月から始まった社会的ひきこもりの家族を対象にした交流会は相談室来談者としての安心感による交流会になっていて、参加者からはもっと交流の時間が欲しいとの要望が出され、交流の部屋を2か所に分けました。今後とも要望に応えて交流会を重視してとりくみます。
○ 居場所づくり
○ 機関誌「わかくさ」の発行
登校拒否・社会的ひきこもりから回復へ登校拒否・社会的ひきこもりなどの理解を深めてもらい、回復と自立への援助となるよう、内容と編集の改善にさらに努力をしていきます。