登校拒否を克服する会 第172回交流会

登校拒否を克服する会 第172回交流会

日時:2015年1月18日(土)午後1時~5時

場所:エルおおさか(大阪府立労働センター) 6F

全体会:

講師:村上公平さん(教育相談おおさか相談員)

分科会:基礎講座、ミニ交流会(学齢別)、特別講座「父親交流会」

資料代:500円

  

(茨木)登校拒否・不登校、社会的引きこもりからの回復・自立のための講演と無料相談会

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(茨木)登校拒否・不登校、社会的引きこもりからの回復・自立のための講演と無料相談会

 登校拒否・不登校や社会的ひきこもりに悩み苦しんでおられる当事者や保護看、現場の先生方はじめ関係されておられる皆様方の思いを少しでも軽減・解消できるように、講演と無料相談会を開催します。どなたでもご参加いただけますので、どうぞお越しください。

 この催しは、先ごろ私どもが発表しました「不登校から社会的ひきこもりに移行させないために、その課題について考え合いましょう」という提言の取り組みの一環です。

<日時> 2015年1月24日(土)13:30~17:00

13:00 受付
13:30~15:20 講演(2F研修室)   17:00
15:30 交流会(研修室) 平行して 個別相談(203)
16:45 交流会・相談終了
講演終了後、交流会を開催します。平行して希望者の方に個人相談を別室で行います。

<会場>茨木市クリエイトセンター(市民総合センター)2F研修室他
JR茨木・阪急茨木市駅より徒歩7分

<講演>「子どもの立ちあがる力を引き出すにはどうすればよいか」
~みなさんも一緒に考え・話し合いましょう~

<講師>村上公平さん

<講師紹介>
相談活動30年。その間日本生活指導学会に所属して「日記法による父母療法」を開発して発表するなど研究論文多数。元大阪府立学校教員。在職中に長男が登校拒否になり、この道へ。
大阪音楽大学、相愛大学で非常勤講師を歴任。

〈参加費・相談費〉参加費:資料代 500円  相談:無料

<申し込み>事前申し込みはいりません。相談申し込みは当日受付にて。

<主催>NPO法人教育相談おおさか

   543-0021 大阪市天王寺区東高津町12-14 たかつビル

電話 06-6768-5773(大阪教育文化センター 気付)

FAX 06-6768-2527

  

(八尾)登校拒否・不登校、社会的ひきこもりから回復・自立のための講演と相談会

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子ども・若者たちの生き方探し
登校拒否・不登校、社会的ひきこもりから回復・自立をめざして講演と無料相談会

主催 NPO法人 おおさか教育相談研究所 (略称:教育相談おおさか)
後援 登校拒否を克服する会・八尾交流会

 文部科学省の発表によると小中学校の子どもの不登校が前年より7千人増加しています。子どもと若者の生きづらさの実態がさらに深まっている証です。この時に「登校拒否・不登校、社会的ひきこもり」をどのようにとらえ、かかわるか、その援助のあり方について考えあいます。

日時 12月 7日(日) 13:30~16:45

場所 八尾文化会館(プリズムホール)4階研修室・会議室

講演 「子どもの心が見えますか」“ひとりで悩まないで”…家族や周りの人たちができること~

講師 佐伯 洋さん

(参加資料代 500円)

★講演会終了後、交流会開催

★希望者を対象に相談会を開催(交流会と同じ時間帯です)
 ※相談を希望する方は、受付時に申し込んでください。

講師紹介:佐伯 洋(さえきひろし)
 大阪千代田短大客員教授。大阪学童保育連絡協議会常任講師。生活綴り方なにわ作文の会。講演多数。詩人。元小学校・高校教員。満期退職後10年、京都府立大、立命館大で教職をめざす学生たちを導く教壇に立つ。

連絡先   NPO法人おおさか教育相談研究所

543-0021 大阪市天王寺区東高津町12-14 たかつビル

電話 06-6768-5773(大阪教育文化センター 気付)

FAX 06-6768-2527

登校拒否を克服する会・八尾交流会 担当者 吉岡 (連絡先は紙面に記載)

  

(河内長野)登校拒否・不登校、社会的ひきこもりから回復・自立のための講演と相談会

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(河内長野)登校拒否・不登校、社会的ひきこもりから回復・自立のための講演と相談会

主催 NPO法人 おおさか教育相談研究所 (略称:教育相談おおさか)
後援 河内長野市教育委員会・富田林市教育委員会・大阪狭山市教育委員会

 保護者・家族のみなさん。教職員のみなさん。登校拒否やひきこもりのことで、1人で悩んでおられませんか? 私たちの研究所では、前身の「親と子の教育相談室」もあわせて29年の間、こうした方々の悩みに応え、相談活動を行ってきました。

 このたび、私たちの研究所では、大阪市・東大阪市・茨木市・八尾市・河内長野市で「講演会と無料相談会」を開き、悩まれておられる方々に理解を深め対応を探るための機会を広く提供することとしました。河内長野市では、次のような内容で行います。ぜひ多くの皆様のご参加をお待ちいたしております。

◎開催日時 平成26年11月29日(土) 13時開場 25分開会
閉会は16時40分を予定しています。

◎会場 河内長野駅前市民センター ノバテイホール(多目的室)

◎開催内容

体験談:「不登校の子どもとどうかかわってきたか」

話し手:山田道弘氏 (NP0法人おおさか教育相談研究所相談員 元千代田高等学校校長)

講演:「子どもの心がみえますか」
   ……登校拒否、社会的ひきこもりからの回復・自立を目指して……

講師:佐伯 洋 氏

講師紹介:佐伯 洋(さえきひろし)

 大阪千代田短大客員教授。大阪学童保育連絡協議会常任講師。生活綴り方なにわ作文の会。講演多数。詩人。元小学校・高校教員。満期退職後10年、京都府立大、立命館大で教職をめざす学生たちを導く教壇に立つ。

☆講演会終了後、交流会を行います。

☆希望者を対象に相談会開催(交流会と同じ時間帯です)

※相談を希望する方は、受付時に申し込んでください。

◎申し込み 事前申込はありません。当日受付にて申し込んでください。

◎参加定員 70名

◎参加費  参加費は不要ですが、資料代として500円を申し受けます。

  

(大阪市)登校拒否・不登校、社会的ひきこもりから回復・自立のための講演と相談会

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(大阪市)登校拒否・不登校、社会的ひきこもりから回復・自立のための講演と相談会

主催 NPO法人 おおさか教育相談研究所 (略称:教育相談おおさか)

後援 大阪市教育委員会

 文部科学省の発表によると小中学校の子どもの不登校が前年より7千人増加しています。子どもと若者の生きづらさの実態がさらに深まっている証です。この時に「登校拒否・不登校、社会的ひきこもり」をどのようにとらえ、かかわるか、その援助のあり方について考えあいます。

12月 7日(日) 午後1時30分~4時50分

たかつガーデン 2階 コスモス (地図はこちら たかつガーデンのサイト)

講演(1時35分~2時50分)

登校拒否・不登校、社会的ひきこもりとは
 ――事例にもとづく実態と立ち上がりの道すじを明らかにします

講師 森川紘一さん

質問と交流  3時~3時50分

(参加資料代 500円)

個別相談(相談は無料) 4時~4時50分

当日受付で申し込んでください
      講演講師と個別相談は、教育相談おおさか相談員が担当します

講師紹介    (森川 紘一 もりかわ こういち)

 教育相談おおさか相談員。立命館大非常勤講師。『子ども力をはぐくむ』等著書9冊発行。各地での相談・講演活動を約40年間。元小学校教員。退職後は龍谷
大、和歌山大、同志社女子大等で非常勤講師。趣味は、けん玉、スポーツ吹き矢
切り絵、書道。

連絡先   NPO法人おおさか教育相談研究所
 543-0021 大阪市天王寺区東高津町12-14 たかつビル

電話 06-6768-5773(大阪教育文化センター 気付)

FAX 06-6768-2527

  

(枚方)登校拒否・不登校、社会的ひきこもりから回復・自立のための講演と相談会

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(枚方)登校拒否・不登校、社会的ひきこもりから回復・自立のための講演と相談会

主催 NPO法人 おおさか教育相談研究所 (略称:教育相談おおさか)

後援 枚方市 枚方市教育委員会
協賛 登校拒否を克服する会・北河内交流会

 文部科学省の発表によると小中学校の子どもの不登校が前年より7千人増加しています。子どもと若者の生きづらさの実態がさらに深まっている証です。この時に「登校拒否・不登校、社会的ひきこもり」をどのようにとらえ、かかわるか、その援助のあり方について考えあいます。

11月30日(日) 午後1時~4時

枚方市市民会館 (京阪電車枚方市駅 下車3分・市役所北側)

講演(1時~2時45分) 

登校拒否・不登校、社会的ひきこもりとは
 ――事例にもとづく実態と立ち上がりの道すじを明らかにします 

講師 森川紘一さん

質問と交流  3時~4時 

(参加資料代 500円)

個別相談(相談は無料) 3時~4時(並行して実施)

当日受付で申し込んでください

講演講師と個別相談は、教育相談おおさか相談員が担当します

講師紹介    (森川 紘一 もりかわ こういち)

 教育相談おおさか相談員。立命館大非常勤講師。『子ども力をはぐくむ』等著書9冊発行。各地での相談・講演活動を約40年間。元小学校教員。退職後は龍谷
大、和歌山大、同志社女子大等で非常勤講師。趣味は、けん玉、スポーツ吹き矢
切り絵、書道。

連絡先   NPO法人おおさか教育相談研究所

   543-0021 大阪市天王寺区東高津町12-14 たかつビル

電話 06-6768-5773(大阪教育文化センター 気付)

FAX 06-6768-2527

  

登校拒否を克服する会 第171回交流会

登校拒否を克服する会 第171回交流会

日時:2014年11月15日(土)午後1時~5時

場所:エルおおさか(大阪府立労働センター) 6F

全体会:「学校の相談室に関わって」

講師:片岡秀樹さん(教育相談おおさか相談員 特別講座「父親交流会」)

分科会:基礎講座、ミニ交流会(学齢別)、特別講座

資料代:500円

  

登校拒否・不登校、社会的ひきこもり 講座と無料相談会

講座登校拒否・不登校、社会的ひきこもり 講座と無料相談会

この案内・申込書のダウンロードはこちら(PDFファイル)

当ホームページからも参加申し込みができます(こちら)

主催 NPO法人 おおさか教育相談研究所(NPO法人  教育相談おおさか)

 講座は「登校拒否・不登校、社会的ひきこもり」をどのようにとらえ、かかわればよいかについて3回にわたって開催します。どなたでもご参加いただけますので、どうぞお越しください。また、無料個別相談だけでもご参加いただけます。

 この催しには「公益財団法人 大阪コミュニテイ財団」から助成を受けています。

講座1 8月23日(土) 「登校拒否・不登校・社会的ひきこもりとは」 佐伯 洋

講座2 8月24日(日) 学校で教職員や友だちは本人・家庭とどうかかわればよいか

       ――休んでいるとき・再登校したとき 森川 紘一

講座3 8月30日(土) 社会的ひきこもりの若者が社会参加を果たすうえで大切な家庭の役割 村上 公平

個別相談会 8月31日(日) ( 相談無料 )

・時間はいずれも  13:00~16:30

・講座の参加資料代 1回につき 500円、3回連続参加 1000円(当日お支払いください)

    講師および相談は教育相談おおさかの相談員が担当します

場所:たかつガーデン(大阪府教育会館)(23,24日は3Fカトレア 30,31日は2Fコスモス)(地図はこちら たかつガーデンのホームページ)

後援: 申請中

講師紹介

2014_08_saeki佐伯 洋(さえき ひろし)

元小学校・高校教員。満期退職後10年、京都府立大、立命館大で教職をめざす学生たちを導く教壇に立つ。現在、大阪千代田短大客員教授。大阪学童保育連絡協議会常任講師。生活綴り方なにわ作文の会。講演多数。詩人。

2014_08_morikawa森川 紘一(もりかわ こういち)

 元小学校教員。退職後は龍谷大、和歌山大、同女大で非常勤講師。現在は立命館大。「子ども力をはぐくむ」等著書9冊発行。各地での相談・講演活動を約40年間でも学ぶこと多。趣味は、けん玉、スポーツ吹き矢、切り絵、書道。

2014_08_murakami村上 公平(むらかみ きみひら)

 元大阪府立高校教員。在職中に長男が登校拒否になり、この道へ。以来相談活動を30年。その間日本生活指導学会に所属して「日記法による父母療法」を開発して発表するなど研究論文多数。また、大阪音楽大学と相愛大学で非常勤講師。

私たち「NPO法人  教育相談おおさか」の支援活動は、小学・中学・高校の教師たちが、それまでの経験の上に教育相談の力を高めながら行ってきています。臨床心理士や発達障害の専門家もいます。

 毎年千件近くの相談に応えるなかで、着実に成果を上げ、多くのみなさん方を励ましています。

とりわけ、登校拒否の子どもは、どの子も必ず立ち上がることを明らかにしてきました。私たちは「ひとりで悩まないで早くご相談を」と呼びかけています。

申込先: 大阪教育文化センター(大阪府教育会館403)気付
申 込: 申込票を使って FAX:06-6768-2527 または 電話:06-6768-5773 まで

当ホームページからも参加申し込みができます(こちら)

申込締切:8月20日(水) 定員70名になり次第、締め切りますが、余裕があれば当日申し込みもできます

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講座と無料相談会 参加申込票

下記のように参加を申し込みます

・全3回  ・講座1  ・講座2  ・講座3  ・個別相談会  (〇を付けてください)

お名前(            ) 

連絡先(〒      住所                 )電話(       )

 今後の催し案内、お知らせ等を送らせて頂きます

どんな立場ですか( 保護者 当事者 教職員 支援者 一般 その他 ) (○を付けてください)

・無料相談会をご希望の方には、事前に相談時間を連絡先住所宛にお知らせします

  

講座と無料相談会 参加申し込みフォーム

登校拒否・不登校、社会的ひきこもり 講座と無料相談会(詳しくはこちら)に参加を希望される方は、以下のフォームに記入して送信することができます。

    お名前 (必須)

     

    申し込み講座名

      全3回講座1講座2講座3個別相談会

    郵便番号(必須)

     

    住所(必須)

     

    電話番号 (必須)

     

    どんな立場ですか

      保護者当事者教職員支援者一般その他

    メモ・問い合わせなどがあればお書きください(時になければ空白でもかまいません)

    確認 (必須)

    確認画面は表示されません。上記の内容で送信しますので、よろしければチェックを入れてください。それから下の「送信」ボタンをクリックしてください。

    今後の催し案内、お知らせ等を送らせて頂きます。

    ・無料相談会をご希望の方には、事前に相談時間を連絡先住所宛にお知らせします

      

    不登校から社会的ひきこもりに移行させないために

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    不登校から社会的ひきこもりに移行させないために、その課題について考えあいましょう

     不登校からの立ち上がりが十分でなかったのは、基本的に教育行政に重大な問題があるためです。また、保護者や教職員などの理解や対応と援助のしかたに不十分さがあるように考えられます

     不登校の子どもをひとりの人として尊重しながら、適切な対応と援助をするとともに、ゆき届いた支援をすすめ、子ども本位の教育行政に改めるように考えあいましょう

    2014年4月
    発行 NPO法人おおさか教育相談研究所

    全文はこちらからダウンロードできます。(PDFファイル 403KB)

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    不登校から社会的ひきこもりに移行させないために

    その課題について考えあいましょう

    2014年4月
    NPO法人 おおさか教育相談研究所

    はじめに

     2010年の内閣府の推計によれば、今日のいわゆるニートの圧倒的多数を占めている15歳から39歳までの社会的ひきこもりの人々は、26万家族、約70万人(当該人口の1.79%)といわれています。また、最近では本人とその親が高年齢化してきているケースが増え、親亡き後の生活を考えなければならないなど事態はいっそう深刻になってきています。

     社会的ひきこもりになった経緯は、個々のケースについてはさまざまですが、多くのケースについてみれば、おおむね2つに分けられます。1つは成人になってから社会的ひきこもりになった場合、2つ目は不登校(注1)がもとになっている場合です。

     これらは、年齢や生活歴などは大きく異なっていますが、その要因の背景には共通点があります。人をひととして処遇しないで単に人材(もの)として扱い、厳しい管理と激しい競争を強要し、その結果に対しては「自己責任論」で諦めさせるというなかで起きている「生きづらさ」です。

     たとえば、最近増えている「働きざかりの社会的ひきこもり」とも関係が深いブラック企業や、それに近い扱いを受けている非正規労働などは、その典型例です。すなわち、「お前の代わりはいくらでもいる」という企業側の考え方から、働く人に対して無権利状態のもとで過酷な競争と労働を強制して、心と体が壊れるまで使うという働かせ方です。

     こうした状況のなかで、小学校・中学校および高等学校の児童・生徒の不登校が、毎年17万人以上の規模で経過しています。社会的ひきこもりになっている多くは、この不登校の経験者です。それは、それぞれの時点で十分な社会参加(再登校)を果たすことができる状態まで立ち上がっていなかったためです。また、高等学校を中途退学して社会的ひきこもりになっているなかにも、不登校の経験者が多く見られます。

     そのため、ニートや社会的ひきこもりの問題を考えるときに、社会的ひきこもりの人々のなかに不登校の経験者が多数含まれていることは、不登校の児童・生徒に対する支援のあり方を考える上で、重要な課題が見落とされているように思われます。

     わたしどもの研究所(前身は大阪教育文化センター「親と子の教育相談室」)では29年前に創設した当初から、このような課題があることも考慮しながら不登校の子どもたちが十分に立ち上げるために必要な対応と援助のあり方について、実践的な研究を進めてきています。

     その結果、適切な対応と援助をすればどの子も必ず立ち上がるということに確信をもちました。そこで、それまでの実践を理論化して「登校拒否を克服する道すじ」という冊子を発行して、全国に向けて25,000部余りを普及し、関係者に喜ばれています。

     一方、わたしどもの相談室では、対応と援助のあり方という面では基本的に不登校から社会的ひきこもりにならない成果をあげてきています。また、相談を受理した時点で社会的ひきこもりになっていたケースについても時間こそかかりますが、他の機関と連携するなどして、ほぼ全員が社会参加をしています。

     わたしどもの研究所では、この不登校から社会的ひきこもりにならないようにするにはどのようにすればよいかという立場から、不登校から社会的ひきこもりになったケースの要因を調査・分析し、共通した問題点を整理して解決のあり方の検討を行いました。
    以下に、それぞれの内容を提起します。

     不登校からの立ち上がりが十分でなかったのは、基本的に教育行政に重大な問題があるためです。

     また、保護者や教職員などの理解や対応と援助のしかたに不十分さがあるように考えられます。

     調査については、わたしどもの相談室で社会的ひきこもりの相談を受理する時点において、不登校から社会的ひきこもりになっていた72%(注2)のケースの主な要因を分析し、つぎのようなことが分かりました。

     この問題を抜本的に解決すべき立場にある文部科学省をはじめとする教育行政に重大な問題があることです。また、保護者や教職員などの理解や対応と援助の仕方の不十分さなどが見受けられます。

     それは、子どもたちに対して進路上で立ち止まったり、進路をやり直すことをよしとしない社会的な風潮に加えて、不登校は子どもや保護者の責任であるとする誤ったとらえ方などの影響によるものと思われます。

     それぞれについての主な内容を上げてみれば、つぎのようです。

    1 学校の取り組みを困難にしている教育行政上の問題

    (1) 文部科学省や教育委員会は、教育の条理に沿った民主教育をすすめて「生きづらさ」を取り除く必要があります。しかし、現状は厳しい管理と激しい競争の教育を押し付け、不登校が発現しないようにする抜本的な教育施策はとられていません。

    (2) 文部科学省による教員評価や学校評価などの学校統制と不登校の「学校復帰を促す」重点指針は、学校として大切な教職員の集団的とりくみをいっそう困難にしています。

     各地の教育委員会が実施している不登校の「ゼロ作戦」や「半減目標」などの教育の条理になじまない数値目標化、不登校の子どもを出したクラス担任へのマイナス評価などによって、各学校では教職員の良心にしたがって子どもの状態に応じた指導と援助ができにくい状況が生まれています。

    (3) 学習の遅れをともなって再登校した、児童・生徒に対する学力保障と進路保障の観点に立った施策が、全国的に極めて不十分です。

     主に、子どもたちを再登校に導くための措置として適応指導教室のほかに学校へのスクールカウンセラーやソーシャルワーカーの配置、大学生などを含む支援員の制度などがありますが、それも極めて不十分です。

     こうしたなかで、不登校による学習の遅れに対する対応については、いまだにごく一部の自治体にとどまり、ほとんどの自治体で実施されていません。そのため、子どもたちには学習の遅れが理由で、つぎの段階への社会参加が困難になっているケースが多く見られるのです。

    2 保護者や教職員などの関係者に関わる問題

    (1) 不登校という状態についてのとらえ方が適切でないために、対応を誤って深刻になっているケースが多くあります。

     それは社会のなかで起きている問題でありながら、その原因は子ども本人にあるという考え方をしているためです。その結果、怠け・病気・学校に対する不適応などととらえてしまい、子どもとの信頼関係を損ねてゆきづまっているのです。

    (2)    とらえ方に問題はなくても適切な対応と援助がなされていないことから、深刻になったケースも多くあります。なかでも、つぎのような理由によるものが多く見受けられます。

    ① 保護者による援助の重要性とその具体的な援助のしかたが行き渡っていないことから、保護者が不適切な対応をして子どもの状態をこじらせてしまい、長期化する原因の1つになっています。

    ② 社会参加(再登校)する際に共通して必要な「独自の対応と援助」のしかたが不十分であるために、再登校が定着しにくくなっています。特に新たな進学先などで再登校する場合については、一部の学校を除いてはその対応と援助がほとんど考えられていないように思われます。

    ③ いじめや発達障害に起因するケースにおいては、その状態や特性に応じた援助  と指導が不十分であることから、社会参加に困難が生じています。

    ④ 前述のように、本人に原因があるとする考え方も関係して、不登校の子どもをひとりの人として尊重する姿勢が弱いか、もしくはそうした姿勢がないために、援助の効果が上がりにくいままになっています。

    不登校の子どもをひとりの人として尊重しながら、適切な対応と援助をするとともに、ゆき届いた支援をすすめ、子ども本位の教育行政に改めるように考えあいましょう。

    1 主に保護者や教職員など関係者にかかわる課題

    適切な対応と援助をすすめるためには、子どもと支援のあり方を、つぎのように理解しあうことが大切です。

    (1)多くの事例が示すとおり、不登校は「生きづらさ」の訴えであることです。

    (2)その「生きづらさ」の根本原因は、日本の社会にあります。そのことは文部科学省が諮問した「不登校問題に関する調査研究協力者会議」の答申(2003年)の「基本姿勢」の項で、「不登校については特定の子どもに特有の問題があることによって起こることではなく、どの子にも起こりうることとしてとらえ、理解を深める必要がある」と述べているとおりです。

    (3)不登校の期間はそれまでの疲れを癒すだけの場合もありますが、多くはその後自分らしく生きるために必要な「新たな自分づくり」をしているのです。

    (4)そうしながら立ち上がっていくのは、子どもが生まれながらにして持っている「自己回復力」と「自己成長力」によるものです。

    (5)子どもがこうした力を遺憾なく発揮することができるようになるためには、「安心と安全」が継続して保障されていなければなりません。そのため、すべての支援者は、不登校の子どもをひとりの人として尊重しながら、「指導」ではなく「援助」の立場に立って接することが重要です。

    (6)こうした援助は、子どもが社会参加(再登校)を果たすまでは、保護者が中心になって行い、学校と教職員はそれを支え・励ます立場に立つことです。それは、子ども自身が「新たな自分づくり」をして立ち上がるためには、保護者としての役割を果たして欲しいと強く望んでいるからです。

    (7)子どもが再登校をするときは、そのときに共通して必要な「独自の対応と援助」を、保護者・学校・専門家の三者が連携して行うことが効果的です。

    (8)再登校後の援助の主役は、学校です。その役割は学校が保護者と連携しながら果たします。したがって、子どもが、新たな進学先などで再登校をする場合は、当該の学校は前籍校とも連絡を取りながら援助と指導を行うことが望まれます。

    (9)いじめや発達障害による不登校の場合は、それ以外の理由による不登校の場合と違って、社会参加が近づいた頃から、その状態と特性に応じた指導と援助が別途必要になることがあります。

    2 教職員や関係者がゆき届いた支援をすすめるために

     子どもと保護者に対してゆき届いた支援をするために、すでにこれまで行われている支援に加えて、つぎのようなとりくみが大切であると考えます。

    (1)不登校とはどのようなことかについて、改めて深く理解しあうことです。

    (2)「生きづらさ」の視点からの、適切な対応と援助のあり方について、もっと広める必要があります。

    (3)教職員に対し、不登校についての十分な研修の機会を保障することが特に大切です。

    (4)学校では、不登校について教職員が集団的にとりくむ態勢をつくることが求められます。

    (5)子どもへの援助に当たっては、保護者と教職員がしっかり連携することが重要です。

    (6)子どもと保護者の居場所をさらに整備することが求められます。とりわけ親の会を兼ね備えたような居場所の新設が急がれます。

    (7)不登校の子どもの支援者を養成することも大切です。

    (8)地域の民生児童委員にも理解を求め、もっと協力が得られるようにすることです。

    (9)関係する地域の相談機関、居場所、若者サポートステーションなどの社会資源のネットワーク化を図ることが求められます。

    3 教育行政などが果たすべきこと

     いまの学校は、格差が拡大するなかでさまざまな課題を抱えた児童・生徒が増大してきているにも拘わらず、相変わらずこれまでどおりの多いクラス定員のままで、少ない教職員による教育が強いられています。そのうえ、教育統制をすすめるための報告事務などに起因する多忙化も加わり、教職員には子どもの状態に応じた指導ができにくい状況が常態化しています。

     また、教職員の労働時間は厚生労働省も「過労死危険ライン」であると指摘して久しいのです。事実、多くの教職員が恒常的に体の不調を訴え、病気休職に追い込まれています。しかし、そうしたなかでも教職員は、子どもを守りながら使命をまっとうしようと日夜子ども本位の教育を目指して懸命に努力を重ねています。

     こうした非人間的で非教育的な過密労働を解消し、次代を担う子どもたちに対して責任を持ってゆき届いた教育を保障するためには、教育行政は当面つぎのような改善を行うことが急務です。

    (1)文部科学省は、日本国憲法と子どもの権利条約に基づく子どもの権利を保障し、不登校が発現しないような抜本的な施策を推しすすめるべきです。

    (2)文部科学省は、さしあたり厳しい管理と激しい競争を強める教育政策を見直し、不登校についての方針を「学校復帰を促す」重点指針から、「子どもの自立を促す」重点指針に改めることが肝要です。

    (3)各地の教育委員会は、教育の条理に沿わない数値目標のような不登校の「数減らし」の方針を改め、教職員の労働条件を含む教育条件の改善をはかることによって、学校と教職員が子どもの状態に応じたあたたかい指導と助言ができるようにすべきです。

    (4)教育委員会は、教職員が不登校の子どもにゆき届いた援助と指導ができるようにするためにも、つぎのような改善をはからなければなりません。

    ①現在多数を占めている非正規雇用の教職員を正規雇用の教職員で充当し、少人数クラスに改編するとともに教職員の定数を増やす。

    ②スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、支援員の配置を増やすとともに、子育て相談室や発達支援センターなどの態勢を充実・強化する。

    (5)教育委員会は、貧困などに起因する保護者の情報不足や支援の遅滞について、特段の配慮を行う必要があります。

    (6)現行の「適応指導教室」や「別室登校」などの役割については、単に子どもを段階的に再登校に導く手段としてではなく、子どもの「新たな自分づくり(自立)」を援助する方向に改めることです。

    (7)教育委員会は、再登校を果たした子どもに対して、学力保障と進路保障をする観点から、子どもが学習の遅れなどを取り戻すために必要な条件整備を急がねばなりません。

    8)国と自治体は、不登校の子どもたちの自立支援にかかわる支援団体に対して、単年度ごとの助成ではなく、継続した助成制度を早急に創設することが必要です。

    以上

    (注1)  このたび登校拒否でなく、不登校という用語を使用したことについて

     わたしどもは、日常的には登校拒否という用語を用いています。それは「登校拒否は学術用語で、自分を守るためにその学校から退避するという意味が含まれているとともに、なぜ自分を守らなければならないような状況が学校に起きているのかという問題提起もしている」からです。

     しかし、この度はこの訴えをお読みいただく大多数の方々が、不登校という用語になじんでおられることを考慮して、あえてこのようにした次第です。

    (注2) 不登校からの社会的ひきこもりが72%になった根拠

     近年わたしどもの相談室では、社会的ひきこもりの相談の申し込みが年々増加してきています。この調査は、全体の相談申し込みに占める割合が50%を超えた2011年度以後の3年間についてのものです。

     この間に受理した社会的ひきこもりの件数は129件で、そのうち不登校から社会的ひきこもりになっていた件数は93件でした。その結果、この値になったものです。