「教育相談おおさか」第7回通常総会を開催しました(4月27日)

登校拒否14万人、社会的ひきこもり100万人を超える今
よりいっそう「教育相談おおさか」を広めます

 4月27日、「教育相談おおさか」第7回通常総会を開催しました。総会は正会員によって毎年開かれ、1年の活動を振り返り新年度の活動を決めます。2019年度の主な活動の柱を、次のように話し合って決めました。 (理事長:馬場野成和)

2019年度の活動の重点

1 「教育相談おおさか」の来談者を増やすこと

 不登校・登校拒否、「社会的」ひきこもりで悩んでいる当事者・家族・教職員・自治体関係者が、「教育相談おおさか」とつながり、来談者が増えることに力をいれます。特に、学校現場とのつながりを強めます。研修・広報宣伝・地域他団体との連携など各分野の活動を有機的にリンクさせます。

2 「教育相談おおさか」の相談力量を高めること

 子ども・若者にいきとどいた対応と援助を行うために、私たち相談員の力量向上めざす研修を強めます。

3 「教育相談おおさか」の財政基盤を確立・強化すること

 教育相談おおさかの活動の維持・継続とともに、活動の発展を展望した財政の基盤の強化・確立にとりくみます。

2018年度のとりくみから

*相談活動

 2018 年1月~12月までの相談は、のべ808件で、学籍のない子ども・若者についての相談が半数を超えています。相談員は、本人のあり様をわかろうとする態度で接することや本人が持っている回復する力が発揮できるように、安心感が持てる家庭となるような援助を基本にし、保護者ご本人が安心感と見通しを持てるように丁寧に応じることに努めてきました。ご家庭でのこのような援助によって、次第に回復へのステップを歩み始めている子ども・若者の例も多く見られます。

*家族交流会

 社会的ひきこもりで来談されている保
護者を対象とした家族交流会は19回を数えています。交流会は毎回20 名前後の参加で、村上相談員の講演と2つのグループに分かれての交流で家族の方々が学ばれています。

*相談員の研修

 相談員は理論や事例に基づく研究(仮名扱いなど守秘義務は厳格に守って)などの研修にも努力しています。また、大阪・兵庫の各地域そして全国の登校拒否を克服する会・交流会に参加して保護者の皆さんの報告にも学んでいます。

*「講演と個人相談会」

 5年目を迎えた18年度は、府内6か所で開かれ、284 名の参加・59件の個別相談がありました。初開催の池田・西淀川区をはじめ、各地で登校拒否を克服する会・地域交流会・教職員組合などが準備からともにとりくんで頂きました。あらためて感謝します。また、守口・八尾では、行政からの大きな支援も受けました。

*第23回全国のつどい

 つどい成功に向けて、実行委員会・事務局会議はじめ府内8地域の行政機関や学校関係への申し入れ活動に、世話人の方々とともに力を合わせました。また、大会当日も分科会運営にも携わりました。

*新版リーフレット

 ご家族・教職員にわかりやすいことに留意し、、簡潔な説明・写真図表の多用を意識して作成されました。手に取った方々からは好評を博しており、更なる活用をめざしてゆきます。  新版リーフレットはこちら(PDF)

今年度もよろしくお願いします。

理事長 馬場野 成和
副理事長 甲斐 真知子
理事 上田 孝子 宮本 郷子 柚木 健一 斎藤 早百合 山口 妙子 松田 貴雄 山田 道弘
監事 山口 隆 (敬称略)

新たに大阪市からの助成交付団体に選ばれました

 この度、教育相談おおさかは、「大阪市市民活動推進助成事業」の交付団体に選定されました。「不登校・ひきこもり件数が大阪市では多いことから、本取組の必要性は非常に高い」(事業運営会議講評より)とあるように、教育相談おおさかの活動内容が待たれています。

  

教育相談 おおさか 会報『わかくさ』第19号

教育相談 おおさか 会報 第19号 2017.5.2

第5回総会開かれる  柚木 健一

「読書家」の高校生とのカウンセリング  高垣 忠一郎

要求を出してきたときは最優先で無条件に応える  村上 公平

発達障害12:大人の発達障害4  青木 道忠

第9回 社会的ひきこもり家族交流会  三浦 千賀子

信じることの大切さ  

世界は自分の中に  

サトちゃんのホワツとした話 ⑤

☎ 06 – 6768 – 5773 (大阪教育文化センター気付)

〒543-0021 大阪市天王寺区東高津12-14 たかつビル2F

http://kyoiku-sodan.main.jp

  

大人の発達障害 4   (連載 発達障害 ⑫ ) 

連載 発達障害 ⑫
大人の発達障害 4

青木 道忠
(子ども若もの支援ネットワークおおさか顧問)

 有名大学の理工科系を卒業されたTさん。技術者として今の会社で、四十年近く働いておられます。しかし、片づけができず、家の中は書類や衣類が一杯に広がって足の踏み場もないと言います。相談にこられたTさん夫人のお話では、結婚当初からそういう傾向はあったそうです。それがひどくなってきたのはTさんが管理職に昇進し、隣の県にある工場に転勤した四十歳頃からだということです。

ひどくなったのは片づけだけではなかった

「転勤したての頃は、『昇進とも重なって、時間的にも気持ちの上でもゆとりがないからだろう。落ち着いたらちゃんとしてくれるに違いない。』と思っていました。しかし、その気配が全くなく、だんだんひどくなっていったのです。実は、ひどくなったのは、片づけだけではないのです。」

「夫は、もともと若い時から無口で、必要なこと以外自分から話さないタイプでした。でも、相談はできていました。自分の意見を押し付けたり、こみいった話になると『勝手にせえ』とほうりだしたりするところはありましたが、彼なりに応えようとしてくれていたと思います。

ところが、昇進し転勤した頃から、話かけるとしかめっ面をして、あからさまに避けるようになりました。それだけではなく、だんだん怒りっぽくなってきています。穏やかにしているなと思っていると、些細なことで急に怒りだしたり、詳しく聞かれたり批判されたりすると怒鳴って部屋にはいってしまうのです。」

意外だった同僚の話

 そう話される夫人に、Tさんの職場における様子についてお聞きしました。片づけや人間関係等、うまくいっているのか気になるところです。

「夫との会話がそんな調子ですから、職場の様子はほとんどわかりません。ただ、相手の立場、気持ちを汲むことが苦手な夫のことですから私も心配になって、数年前に夫と同期で同じ工場の方にそれとなく様子をお聞きしました。そのお話では、机の上はそんなにひどくないし、職場の人との人間関係も仕事に支障がでるようなことにはなっていないということでした。安心した反面、意外でもありました。」

(この項、つづく)

(教育相談おおさか 会報『わかくさ』第19号 2017.5.2)

 

  

要求を出してきたときは 最優先に 無条件で 最大限に応える

要求を出してきたときは 最優先に 無条件で 最大限に応える

NPO教育相談おおさか相談員  村上 公平 

 これまでは社会的ひきこもりの人であれば、どの人の場合にも必要な、「基礎的な援助の仕方」について述べてきました。今回からはそうした援助によって立ち上がりがすすむなかでの、第一段階の「立ち上がりの状態に応じた援助の仕方」について説明します。

立ち上がりの状態の「意味」と「意義」

 立ち上がりの状態には、いろいろな意味と意義がありますので、まず始めにその意味について考えます。その1つは、ひきこもり状態(非社会の生活)になって、それまでの社会生活のなかでできていた行動の大半ができなくなっていた状態から、再びできるようになる「回復」の意味があります。2つ目は、回復しつつ社会参加に備えての新たな力を養う「新たな自分づくり」もします。

信頼関係と繋がりの回復

 また、こうした行動ができるようになるのは、それまでの親の皆さんの援助の努力が実って《親子の信頼関係と繋がりが回復して強くなり》、社会参加に向けての意欲がだんだんと向上するところにあります。そのため、典型的な事例では立ち上がりの行動に順番が見られます。

「甘え」と連動して出してくる「要求」

 最初の行動は、甘えの行動と連動してさまざまの要求を出してくることです。その内容は、ゲームセンターや買い物・ドライブなどに一緒に行きたいとか、好きな飲食物や本あるいはファッション関連グッズを買って欲しいなど多岐にわたっています。

 このような要求行動には、つぎのような重要な意義がありますので、そのときは《最優先に無条件で最大限に応える》ことが大切です。それは、やっと要求が出せるようになったばかりなので、待たされたり、値切られるようなことがあれば、その芽が枯れて立ち上がりが進まなくなるからです。

自己回復力と自己成長力が働き易く

①これまでの援助の重要な課題であった《受容されていること》が実感されてきている。②その結果、必要に応じて自分を出すことができるようになってきている。③要求がかなえられることによって生活の質が上がる ④そうなれば、ストレスが少なくなるため、立ち上がる力の自己回復力と自己成長力が働き易くなり、いっそう立ち上がりが進む。⑤同時に、立ち上がりのベースである親子の信頼関係と繋がりも強く、太くなるなどです。

(教育相談おおさか 会報『わかくさ』第19号 2017.5.2)

 

  

「読書家」の高校生とのカウンセリング

「読書家」の高校生とのカウンセリング

心理臨床家 高垣 忠一郎

嫌なことをすることががんばること

30年ほど前に、不登校になって「読書家」になった高校生のカウンセリングをしたことがある。その彼とのやり取りが面白かった。彼は「嫌なことをすることが、がんばることだ」という「がんばり」観をもっていた。「以前は本を読むのが嫌だったから、本を読むとがんばっているような気がした。でもいまは本を読むのが好きになってきたから、それをしていてもがんばっているような気がしない。ただ、好きなことをやっているのではないかというそんな感じがする」という。

逆に今は言葉が独り歩きするのでは?

《なるほど、嫌なことをしないとがんばっている感じがしない。したいことだけをしているだけで、こんなんでいいのかなという感じ?》 — うん。
《大分、自分の心の中の感じ方や、気持ちが整理され、ことばにできるようになったねえ》
— うん。以前はうまくことばにならなかったけれど、いまは逆にことばが独り歩きするのでは?という逆の心配が出てきた。

好きなことだけ→は逃げていること?

《君にとっては、嫌なこと、しんどいことに挑戦してつらい目をしないとがんばっている気にならないのやなあ。好きで一生懸命やっても、がんばっている気にならないのかな?》 ……
《君の心の中には、嫌なことでがんばらないとがんばっていることにならないというものの見方、感じ方があるのだね。その辺は、考えてみる値打ちがありそうやねえ?好きなことだけやっていると、嫌なことから逃げているという感じがあるのかな?》
— うん。

気持ちをことばで表せるのは 本を読んでいるせい?

《いろいろ気持ちをことばで、表せるようになってきたのは、本を読んでいるせいかな?小説は人の内面を描きだしているから、いろいろ人の心の動きに気がつくし、主人公の心の動きに自分の心の動きを重ねあわせみたりして、何かを発見することがあるのかな?》

小説のように自然に心に入って来る方がよい

— ものの見方や考え方について書いてある本もあるけれど、あんな本よりも、そういうものが自然と入って来る小説などのほうがよい。
《ああ、そういうことを論じている本よりも、小説のように自然に入ってくる方がよい?》
— そういうような感じで、いろんなことがわかってくる方がいい。頭だけじゃなくて、心に入って来る。
《なるほどねえ。17歳やねえ?》 —うん。
《17歳は成長の年やなあ》

(教育相談おおさか 会報『わかくさ』第19号 2017.5.2)

 

  

父母・教職員・青年・相談員が心を寄せて 堺市「講演と相談会」

立ち見の会場で聴き入った66名

―父母・教職員・青年・相談員が心を寄せて 堺市「講演と相談会」

 2016年度5か所での「講演と相談会」は、最後に2月26日、堺市教育委員会と堺市社会福祉協議会の後援を受けて、堺市・サンスクエア堺を会場に開かれました。参加者66名で会場は満席、10名ほどは立ったまま聴かれました。

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 オープニングは泉北ニュータウン交流会の世話人さんの声かけで、Hさんが苦しかった頃の自分の思いを歌にしてギターの語り弾きをしてくれました。

 講演は、柚木健一さん(相談員・理事長)。講演内容と資料を加えた分厚い冊子にもとづいて登校拒否・不登校について、適切な援助で子どもたちは自らの力で必ず立ち上がると話しました。そして、社会的ひきこもりにある青年の実態から今の社会での青年の生きづらさ解明しつつ、安心・安全を保障すれば回復し立ち上がる、それには家族が最大の援助者であるとして、支援のあり方を語りました。

 講演の結びはギター演奏をしてくれたHさんの詩を紹介して苦しみを乗り越えて今の姿があることを参加者と共有しあいました。

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 後半は登校拒否と社会的ひきこもりにそれぞれ9名と10名の参加で交流会がもたれ、講演の感想も交えて改めてわが子を見つめ直しながら各自の思いを語り合いました。並行して別室では10組の個別相談が行われ、相談員が相談に応じました。

 堺市内の1つの小学校から6名もの先生が参加されて内3名の方が個別相談を希望され、クラスの子どもの対応のあり方について深めることができました。この学校では不登校問題を教師集団で対応しようとされている姿勢を知ることができました。

 準備は、泉北ニュータウン交流会との共催ですすめたこと、堺子育てネットワークの協賛、堺市教職員組合の全面的な協力によってとりくむことができました。

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 参加者の感想の一部を紹介します。
「講演は子どもの不登校が始まって今日までの復習のようで、その通りだったと納得できるものでした。相談も丁寧に聴いて頂き、今もらえている安心できた気持ちを忘れないでいたいです」。「お話を聴きながら息子の場合はどうだったかなと思いだしながら聞かせて頂きました。交流会は自分の思いを出せる場でとてもありがたいです。」


 3年連続で行った「講演と個人相談会」は20か所となり、2016年度は5か所で延べ参加者は210名、個人相談は30組でした。この事業は各地で市教育委員会等の後援、登校拒否を克服する会や関係団体の協力によって定着してきています。

(相談員:茶園真灮)

(教育相談おおさか 会報『わかくさ』第19号 2017.5.2)

  

教育相談おおさか 第5回総会開かれる

教育相談おおさか 第5回総会開かれる

 4月15日、「教育相談おおさか」の第5回通常総会を開催しました。総会は正会員である相談員によって毎年開かれ、1年の活動を振り返り、新年度の活動を決めます。2016年度の活動の主なまとめと17年度の方針を次のように話し合って決めました。

(理事長:柚木健一)

❉ 相談活動  2016年1月~12月までの相談は、延べ1080人以上で、学籍のない子ども・若者についての相談が半数を超えています。相談員は来談の保護者との相談では、本人のあり様をわかろうとする態度で接することや、回復する力は本人が持っていて、その力が発揮できるように本人にとって安心感が持てるように家庭が居場所となるような援助の立場に立つことを基本にしながら、保護者ご本人が安心感と見通しを持たれるように丁寧に応じてきました。ご家庭でのこのような援助によって次第に回復へのステップを歩み始めている子ども・若者の例も多く見られます。

❉ 家族交流会 社会的ひきこもりで来談されている保護者を対象とした家族交流会は4月で10回目となります。交流会は毎回20名を超える参加で、村上相談員の講演と2つのグループに分かれての交流で家族の方々が学ばれています。 参加されている保護者は次のように感想を語っておられます。「村上先生のお話しはよくわかりすごく勉強になりました。これからも息子に寄り添っていきたいと思います」「今まで親の勝手で世間と比べて指導してきたようです。いつも焦る気持ちがあったが、子どもは苦しんでいること、居場所として心地よくすること、分かってやろうとすること、子どもに謝らなければと思いました」「親の不安、わが子の将来のこと、みなさんのお話しを伺ってウチだけではないと楽になった」

❉ 相談員の研修 相談員は理論や事例に基づく研究(仮名扱いなど守秘義務は厳格に守って)などの研修にも努力しています。また、大阪、地域そして全国の登校拒否を克服する会・交流会に参加して保護者の皆さんの報告にも学んでいます。

❉ 地域での「講演と個人相談会」

 このとりくみを始めて3年目となりました。2016年度は、12月に八尾市と寝屋川市、2017年1月に大阪市天王寺区と高槻市、2月に堺市の5カ所で開催し、全体で相談員も含めて220名の参加があり、30組の個別相談に相談員が応じました。各地で登校拒否を克服する会・地域交流会が共催団体として世話人さんには準備からともにとりくんで頂きました。あらためて感謝します。参加された方からは「初めての参加でしたが、家から出られなくなって10年の息子(24歳)、私が少し焦ってきていることを再確認できました。自分の為にも息子の為にも、また足を運ぼうと思いました。ゆっくりと安心できる家庭・家族であり続けたいです」などの感想が寄せられ、好評を得ています。

 3年間、公益財団法人大阪コミュニティ財団の事業助成を受けて開くことができました。また、開催の市や教育委員会、社会福祉協議会の後援を得ることも年々増えていきました。16年度は、八尾市で八尾市文化事業団との共催、高槻市で高槻教育文化センターの全面的な支援や市PTA協議会の協力、堺市での堺子育て教育ネットなど公的な機関や民間団体の支援・協力がさらに広がりました。また、各市の教職員組合にも広報案内などに協力を頂きました。「教育相談おおさか」のこのとりくみに関心が高まっていることと、地域で開催して相談につながる家庭がまだまだおられることを相談員は実感しています。

 こうした経験と教訓に立って17年度も開催の方向で検討を進めているところです。

❉ 30周年記念誌の発行

 教育相談が始まって2015年で30年が経ちました。この年から相談員が分担して2冊の記念誌発行の準備にかかり、1年半をかけて2016年11月に発行することができました。
「教職員アンケート調査」は15年夏から学校を訪問するなど、直接先生方に協力を頼み、府内で519名の先生が応じて下さいました。そのデータの分析と自由記述に書かれていることを紹介して冊子にまとめました。

 「30年のあゆみ」は30年の歴史をたどって相談活動の教訓を理論としてまとめること、得られた相談の理念を整理すること、そして現在の登校拒否と社会的ひきこもりの解決の方向と相談のあり方についての課題をまとめました。いまはその普及に努めているところです。とくに「アンケート調査」は学校を中心に次第に広がっています。なお、「アンケート調査」の内容について各地で報告会を開き、「教育のつどい大阪」(教育研究集会)の分科会で報告したところ、今年夏に開かれる全国の「教育のつどい」の分科会で発表することになっています。

❉❉ 2017年度の重点は ❉❉

○ 教育と社会が子ども・若者に与える影響を知ること

 大阪では中学生1年生から3年生まで毎年1回の「チャレンジテスト」で高校入試の内申点を決める、小中学生に「学校安心ルール」「学校スタンダード」で子どもを縛る、高校では「学校つぶし」が進む一方、全国的には「学力テストの成績公表」、次期学習指導要領によってこれ以上ない学習時間の詰め込み・道徳の教科化など、教職員は多忙化と評価・管理のもと懸命な努力をしていますが、子どもの荒れや不登校がさらに増える事が懸念されます。若者もまた奨学金の返済負担や雇用破壊による「生きづらさ」は増すばかりです。貧困問題が子ども・若者に深刻な影響を及ぼしています。このような事態をよく知ってその解決策を考えると共に、日常の相談活動にあたることを大切にします。

○ 地域の「講演と相談会」の広報などで学校訪問をして教育現場との関係を深めます

○ 日常の相談活動はじめ、「講演と相談会」、相談員の講師派遣などの広報にホームページを活用するなどさらに力を入れます

○ 家族交流会に続いて「登校拒否についての講座」を開くようにします

○ 「社会的ひきこもりの理解と援助」についての冊子を発行します

○ 相談室の維持・運営など「教育相談おおさか」の財政はきびしく、賛助会員のみなさまの協力と新たに賛助会員に加わって頂くように広く協力を求めていきます

(教育相談おおさか 会報『わかくさ』第19号 2017.5.2)